Log Detector（ログディテクタ）とRMS Detector（RMSディテクタ）の違い

Q： Log Detector（ログディテクタ）とRMS Detector（RMSディテクタ）の違いを教えて下さい。 A： Log Detectorは別名Logarithmic amplifier (Log Amp) と呼ばれています。通信システム等のRF回路に使用されるアナログ部品です。その動作は名前の通り単純で、入力電圧（または電流）の対数に比例する出力電圧（または電流）を出力するものです。ログアンプと呼ばれていますが、一般的なアンプではなく、実際には"リニア"→"対数"への変換（linear-to-logarithmic converter）になります。 Log Detectorはその非線形性が含まれる変換動作を伴うため、適用する回路の直線性を重視し、広いレンジで低歪みを実現することを考えると、システム内に意図的にLog Detectorのような非線形コンポーネントを配置することは、逆効果に思えるかもしれません。そのような意味でのLog Detectorは通常は直接シグナルチェーンに組み込まれることはありません。RF回路では、大きなダイナミックレンジの入力信号を圧縮して、振幅レンジが固定化された出力信号に変換します。これは、低レベル入力信号に高ゲインを提供し、高レベル信号には低ゲインを適用することにより、入力信号を圧縮します。このように、Log Detectorはその信号レベルを狭い範囲に維持し、チャネル内の信号レベルをほぼ一定に保つ用途である自動利得制御（AGC）に主に使用されます。つまり受信チャネルの信号利得を調整するクローズド・ループ制御の一部として適用されています。しかし、Log Detectorは送信信号のピーク対平均比（Crest factor: クレストファクタ）が固定ではない場合、電力を正確に測定できません。Log Detectorはこのクレストファクタの影響を受けやすく、測定値に大きな誤差を生じることがあります。一方で、RMS Detectorはあらゆる波形の電力を高精度に測定できます。最新の通信システムでは、OFDM、CDMA、QAMなど各種の複雑な波形適応変調技術が使用されていますが、波形の種類を問わず正確な電力測定を行えることで、システムで必要とされるキャリブレーションが大幅に低減されます。アナログ・デバイセズのRMS Detectorは、入力波形のRMS値に従って直線的に変化するように正確にスケーリングしたDC出力電圧を生成します。これらのデバイスは、低消費電力の携帯型無声や試験装置などで使用される一定範囲のダイナミックレンジにおいて、温度の影響を受けることなく、RMSパワーを非常に高精度に（±0.2dB以内）で測定できるように最適化されています。これらの詳細に関しては以下技術記事を参照ください。よくある質問（FAQ）：無線デバイス用RFディテクタ | Analog Devices https://www.analog.com/jp/lp/003/faqs_rf_detectors.html 対数アンプの基礎と広いダイナミックレンジの信号を処理する方法 | DigiKey https://www.digikey.jp/ja/articles/the-fundamentals-of-logarithmic-amplifiers AN-653: 広いダイナミック・レンジを持つRMS RF電力検出器の温度、安定性、直線性の改善 | Analog Devices https://www.analog.com/jp/resources/app-notes/an-653.html MT-077: TUTORIAL Log Amp Basics | Analog Devices https://www.analog.com/media/en/training-seminars/tutorials/MT-077.pdf MT-078: TUTORIAL High Frequency Log Amps | Analog Devices https://www.analog.com/media/en/training-seminars/tutorials/MT-078.pdf MT-082: TUTORIAL RF RMS Power Detectors (TruPwr TM ) | Analog Devices https://www.analog.com/media/en/training-seminars/tutorials/MT-082.pdf

露出パッド（Exposed Pad）の扱い方について

Q：デバイスのパッケージタイプによって、露出パッド（Exposed Pad）が採用されておりますが、その扱い方についてはどのようにすればいいのでしょうか？ A：多くのICは熱放散（Thermal dissipation）やGND接続のインピーダンスを下げる目的（ノイズ対策）でICパッケージにおいて露出パッドを採用しています。これは一般的にLFCSPやQFNタイプのパッケージにおいて採用されており、デバイスからプリント基板（PCB）への熱伝導を効率的に行い、熱抵抗を下げます。露出しているダイ・パッドの底面は一体化したヒートシンクとしてPCBにはんだ付けする必要があります。PCB設計には露出パッド用ランド・パッドを採用してください。まず大前提として、デバイスのデータシートに露出パッドの接続先について言及されている場合はその指示に従う必要があります。しかし、露出バッドの接続先について何も言及がされていないデバイスのデータシートも存在します。一般的には露出パッドとIC自体は電気的に接続されておらず、その場合の露出パッドの目的は放熱であるため、接続先はGNDプレーン又はパワープレーンに接続することになりますが、熱エネルギーの低インピーダンス経路を形成（GND強化）するために、一般的にノイズが一番少ないGNDプレーンへの接続することを推奨しています。そのランド・パッドにはPCB内の複数のGNDプレーンに接続する一連のビアを取り入れる必要があります。露出パッドの具体的なレイアウトに関しては、製品評価ボードのGerberファイルがリソースとして提供されている場合がありますのでそちらを参照下さい。露出パッドの扱い方についての詳細については以下アプリケーションノートや技術記事を参考下さい。 Exposed Pads: A Brief Introduction Exposed Pads: A Brief Introduction | Analog Devices AN-772: リード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ（LFCSP）の設計および製造ガイド AN-772: リード・フレーム・チップ・スケール・パッケージ（LFCSP）の設計および製造ガイド | Analog Devices AN-1142: 高速ADC用プリント基板のレイアウト・テクニック AN-1142: 高速 ADC 用プリント基板のレイアウト・テクニック (analog.com) ICパッケージの熱特性評価 ICパッケージの熱特性評価 | Analog Devices

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