『電源設計の専門家になれるセミナー』未回答質問の回答 ~「まだまだ使いこなせる!LTspice活用術 『LTパワーツール三種の神器』」~

『電源設計の専門家になれるセミナー』未回答質問の回答 ~「まだまだ使いこなせる!LTspice活用術 『LTパワーツール三種の神器』」~

6月26日に『電源設計の専門家になれるセミナー』を開催しましたが、大変多くの皆さまにご参加いただき、改めましてありがとうございました。「まだまだ使いこなせる!LTspice活用術 『LTパワーツール三種の神器』」 Q&Aの時間内に回答できなかったご質問について、講師からの回答を掲載しますのでぜひ参考にしてください。

Pspiceデータを使用することができますでしょうか

他社電源ICでも設計検討は可能でしょうか?

例えば、他社のICをLtSPICEで動作させたいのですができますか。できるのであれば、どのようにおこなえばいいですか

ADIだけでなく、他社電源ICも候補に入れて検討、設計することは可能でしょうか?

他社製のLDOがシステムに含まれる場合、PowerPlanner上にブロックとして配置し、効率や入出力を設定すれば、それらを含めてシステムの効率を算出できるという認識でいいでしょうか?

LTspiceについてはPspiceモデルがあれば基本的にインポート可能です。

モデルを記述したファイルをシミュレーションファイルと同じディレクトリに配置して、.libコマンドでインクルードして各コンポーネントの設定(Ctrl+右クリック)Spicemodel項目にモデル名を打ち込んで適用してください。

ただし、他社のICの場合、暗号化されているケースもあり、全てのモデルをインポート、シミュレーションできるわけではございませんのでご了承ください。

LTpowerCADADI製品の設計を目的としたツールのため、他社の電源ICの設計には利用できません。受動部品に関しては、ライブラリにないものは手打ちで対応可能です。

LTpowerPlannerは手打ちで他社の電源ICのスペックを打ち込むことで対応可能です。

LT powerPlannerの発熱は熱抵抗の値を入れるのですか?パルス時の非線形?の特性も入れられますか?モデルは自作のも入れられますか?

LT spice,power CADツール等で発熱等のシミュレーションは可能でしょうか?ICのパッケージ温度やジャンクション温度など同じように計算できるのであれば教えていただきたいです。

LTpowerPlannerで求められる発熱量は変換効率に基づいた数値となります。そのため、パルス出力時の平均的な変換効率を入力することで擬似的に模擬可能ですが、過渡熱のシミュレーションは難しいと存じます。

パッケージ温度やジャンクション温度はICの冷却条件、実装条件、基板の条件(層数、銅箔厚など)によって、同じ発熱量でも温度上昇の具合は変わります。また、それらをインポートして温度を推定する機能は実装されておりません。データシートに発熱量と温度上昇の関係を示す熱抵抗が記載されていますので、1つの参考としてご利用ください。

また、LTspiceについてはシミュレーション中に素子をAlt+右クリックすることで発熱量のシミュレーション波形が得られます。これによってある程度の発熱量の検討ができると存じます。

負荷デバイスが電源投入シーケンスや温度特性を持っている複雑なデバイスの場合、これらをPowerPlannerやPowerCADに入れて検討する方法はありますか?

LTPowerPlannerでシーケンス設計はできますでしょうか?

LTpowerPlanner及び、LTpowerCADには電源投入シーケンスや温度特性を反映する機能は実装されていません。

 
LTpowerCADで背景が青くなっているのは推奨品ということでしたが、どういう基準で推奨品が決まっているのでしょうか?

要求負荷電流、効率、リリース時期、機能等から推奨品がリストされるという認識です。
背景が青色でない製品はあくまでも要求仕様を満たしているものがリストアップされているだけとお考えください。


LTspiceは無料ソフトですが、LTpowerCADも無料ソフトでしょうか?

はい、無料です。

 
LTpowerCADで抵抗とコンデンサの選定をE系列を制限して定数選定してくれる機能はありますか?

現在LTpowerCADに実装されている機能として抵抗値を許容誤差1%E96系列から提案するか、系列を無視した値を提案するかの2種のみとなります。

 
LTpowerCADなどはICの積み上げや並列化なども対応できますか。             

対応しておりません。1CHあたりの負荷電流に換算して単体の電源ICを設計いただくことが近い方法となります。

 
レイアウト案の提示は、該当する評価ボードを検索し、表示されるということでしょうか。      

はい、その通りです。

 
Chat GPTもしくは 将来は CoPilotからこれらの作業を扱うためのインターフェースが今後用意される見込みはありますか?

そのような機能アップデートの予定は情報としてもっておりません。

 
LTspice上でボード線図をナイキスト線図に変換は出来ますか?

いいえ、そのような機能はございません。

 
ツールを使用する際に、最新の部品等に更新されますでしょうか。

いいえ、手動でアップデートする必要がございます。LTpowerCAD起動後のホーム画面にてSync/Releaseをクリックしていただくことで部品ライブラリの更新やソフトウェアのアップデートを実行できます。こまめなアップデートを推奨しております。

※なお、質問内容や意図が読み取れなかったものについては回答しておりませんので、その点ご了承ください。